シンボルツリーを1本くらいは植えたい。家づくりを始めたころは私もそう考えていました。でも、フルタイム共働きで小さい子どもが2人いる毎日を直視したとき、無理だなと思いました。仕事・育児・家事をこなすだけで一日が終わる。お庭を一面芝にしたのもあって、週末は朝から晩まで庭仕事、なんて余裕はないというのが我が家の現実です。
木を植えるとは、管理コストを引き受けること
木を植えるということは、剪定・落ち葉の掃除・病害虫の管理・根付くまでの水やり・必要に応じた業者依頼といった継続コストを、10年20年と引き受けるということです。植えた瞬間の見栄えだけでなく、維持し続けられるかどうか。外構計画では、映える見た目より先にそこを考えるべきだと思います。
業者に剪定を頼めば年に1〜2万円以上かかりますし、枝が隣地に越境すればトラブルの種にもなります。共働き子育て世帯にとって、これは決して小さくない負担です。
木なしでも緑は確保できる
我が家の庭は天然芝にしました。品種は省管理型のTM9です。丈が低く伸びにくいので芝刈りの頻度が少なくて済み、それでいて地面いっぱいの緑感と、子どもが走り回れるスペースを確保できます。
木が欲しくなったら、大きめの鉢植えを玄関先に置けば季節感は出せます。鉢植えなら枯れたら替えられるし、置き場所も変えられる。地面に植えてしまうと失われる柔軟性が残るのは、忙しい世帯には大きな利点です。
木なし外構のメリットとデメリット
メリットは明快です。落ち葉の掃除がほぼ不要で、排水溝の詰まりも防げる。隣地への枝越境や落ち葉トラブルがない。毛虫やアブラムシなど害虫の発生リスクを大幅に減らせる。剪定費用がかからない。外観もすっきりします。
一方でデメリットもあります。シンボルツリーのある緑豊かな外観には及びませんし、夏の日差しを木陰でカットする使い方もできません。我が家はパッシブ設計で軒を深くとり、日射の遮蔽は窓の設計段階で解決しているので、木に頼る必要がなかったというのも実情です。
ひとつ誤算だったのは、高い塀で庭を囲っているせいで、よその家から飛んできた枯葉が庭に溜まること。木を植えていなくても、落ち葉掃除は完全にはゼロになりませんでした。
芝生の手入れも、正直ゼロではない
木を植えない代わりに芝生にしたと書きましたが、芝生もメンテナンスフリーではありません。TM9の手入れは、だいたい年間でこんなサイクルです。春に肥料と目土、初夏から秋にかけて月1回あるかないかの芝刈り、見つけたときに雑草抜き。普通の高麗芝なら月2〜3回の芝刈りが必要な時期もあるので、省管理型を選んだ効果は大きいと感じています。子どもと庭に出たついでに10分だけ雑草を抜く、くらいの付き合い方で維持できるので、木の管理と比べれば圧倒的に楽です。TM9のおかげもあって、自分たちのペースでできる範囲に収まっています。
子どもと庭の使い方は、木がなくても変わらない
木のない庭で子どもが楽しめないかというと、まったくそんなことはありません。芝生の上で走り回り、夏はビニールプールと水遊び、ボール遊びも気兼ねなくできます。むしろ木の根や落ち葉、毛虫を気にせず裸足で遊ばせられるのは、芝生だけの庭の利点だと感じています。
高いフェンスで囲ってあるので、道路への飛び出しの心配も少なく、親が縁側的にウッドデッキから見守れる。木を植えるかどうかと、庭が子どもにとって楽しい場所になるかどうかは、別の問題でした。
外構予算は「維持が楽なもの」に振った
木を植えなかったぶん、外構の予算は芝生と塀に振り分けました。我が家は限られた外構予算の中で、シンボルツリーよりも、視線を遮る高い塀と子どもが走り回れる芝生のほうが暮らしの満足度に直結すると判断したからです。
もしいつか植えたくなったら、そのとき改めて考えればいい。庭の余白は残してあるので、子どもが大きくなって手がかからなくなったら、家族でシンボルツリーを選ぶのも楽しみのひとつかなと思っています。植えない選択は、植える楽しみを将来に取っておく選択でもあります。
まとめ:「映えるか」より「10年後も管理できるか」
共働き・子育て世帯が外構を計画するなら、木を植えるかどうかは、映えるかではなく10年後も管理できるかで判断するのがおすすめです。我が家は芝生+コンクリという構成で、緑を保ちながらメンテナンスを現実的な範囲に抑えられています。外構は引き渡し後もずっと付き合い続けるもの。建てる前に、それを維持できる生活スタイルかどうかを考えてみてください。

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