PR

タープリングを最初から設置した理由|外壁に穴をあけない先読み計画も失敗

お家について

ウッドデッキで子どもを遊ばせたいけれど、夏の日差しがきつくて出られない。東北とはいえ近年の夏は日差しが強く、ウッドデッキが暑すぎて使えない空間になっている家は少なくないと思います。

我が家はウッドデッキを設計する段階で、最初からタープリングを設置することを決めていました。タープリングとは、日よけのタープやシェードを固定するためのリング金具のこと。後で付ければいいと思われがちな小物ですが、高気密住宅においては、この「後で」が大きな問題になります。

なぜ最初から設置したのか

高気密住宅で外壁に後から穴をあけることで、気密性能を損なうリスクがあります。我が家は完成時C値0.4。気密は石膏ボードと外壁の間に隙間なく施工されています。後から壁に金具を付ける際に外壁に穴をあけてしまうと、気密シートを傷つけて目に見えない場所で漏気が生まれてしまいます。

新築の打ち合わせ中に、後から外壁に金具を付けられるか工務店に確認したところ、気密層を傷つけないよう慎重な処理が必要で、確実とは言えないという回答でした。それなら最初から設計に組み込んでしまおう、と判断したわけです。建築時なら下地の補強・防水処理・気密処理を一体で施工できるので、強度も気密も確実です。

これはエアコンの配管穴や外壁に付けるライトなどと同じです。我が家はエアコンスリーブや二階の室外機置場も先に確保しておきましたが、外壁に関わるものはとにかく先に決めておくことが高気密住宅の鉄則だと思います。

タープリングがあると、夏のウッドデッキが使える

タープを張ると、ウッドデッキの表面温度が上がりにくくなり、夏でも使える空間になります。直射日光を避けながら子どもがデッキで水遊びでき、家の中からも様子が見えるので安心して見守れます。小雨程度ならタープの下で外遊びを続けられるのも、子育て世帯にはありがたいところです。

パッシブ設計との相性も良好です。我が家は南向きの大きな窓で冬の日射を取り込む設計ですが、夏はその窓から日射が入りすぎると冷房負荷が増えます。タープは軒の出だけでは対応しきれない角度の日差しを補ってくれるので、夏の日射遮蔽と冬の日射取得の両立に一役買っています。

日よけだけでなく、デッキ自体も熱を持ちにくいものに

夏のデッキ対策は、上から日差しを遮るタープリングだけではありません。我が家はウッドデッキ本体に、LIXILのデッキDCという人工木を選びました。独立気泡構造の発泡樹脂でできていて、熱が伝わりにくいのが特徴です。

メーカーの試験では、一般的な人工木デッキの足裏温度が43.3℃だったのに対し、デッキDCは37.9℃と約4℃低く抑えられたとされています。実際に夏に素足で出ても熱くなりにくいです。さすがにひんやりとしていることはありませんが、後付けで購入した同じような色の樹脂階段は灼熱です。樹脂デッキは夏に表面が熱くなりやすいという話をよく聞いていたので、ここは選んでよかった点でした。

つまり我が家の夏のデッキは、タープリングで日差しを遮り、デッキDCで熱を持ちにくくするという二段構え。上からと足元の両方で暑さを抑えているイメージです。どちらか一方だけより、組み合わせることで夏でも快適に使えるデッキになりました。

正直な失敗|タープリングは「軒の内側」につければよかった

ここまで先読みで計画したと書いてきましたが、ひとつ正直な失敗があります。タープリングを軒先(軒の先端)に取り付けてしまったことです。もう少し軒の内側に寄せるか窓の上の外壁部分に付ければよかった、というのが住んでみての反省点です。

何が起きるかというと、タープ自体は軒から外側に張り出しているのですが、軒先とタープの間に上下の隙間ができてしまうのです。その隙間から、太陽の高さによっては日差しが入り込んでくる。せっかく日よけを張っているのに、時間帯によっては隙間から差し込む光で、思ったほど涼しくならない瞬間があります。

もしタープリングを軒の内側か外壁部分に取り付けて、軒とタープが段差なくつながるようにできていればこの隙間は生まれまず日射の入り込みも防げて、軒とタープが一体になったより隙のない日よけになっていたはずです。リングの位置は軒の端に付けるのでなく、「軒とどう連続させるか」まで考えて決めるべきだったと反省しています。

これから設置する方は、タープリングの取り付け位置を軒先ではなく少し内側にして、軒からタープへ滑らかにつながる高さ・角度をイメージしておくのがおすすめです。設計段階でここまで詰めておけば、夏の日差しをもっとしっかり遮れます。

デメリット・注意点

注意点も正直に書いておきます。リングの位置と高さの設計を間違えると、タープを張ったときに視線の抜けが悪くなったり、開放感が損なわれたりします。リングの数や配置で張れるタープのサイズが決まるので、どんなタープをどう張りたいかを先にイメージしておくことが大切です。パッシブ設計と組み合わせて、どのくらいのサイズのタープを張るべきかまで設計時点で考慮しておくとよいと思います。

タープの選び方と、季節の運用

リングを付けたら、次はタープ選びです。我が家は風を通しつつ日差しをカットするシェードタイプを使っています。選ぶときのポイントは、リングの位置に合うサイズであること、UVカット率、そして取り外しやすさです。ハトメの位置が合わないと張りがきれいに出ないので、リングの配置図を持ってサイズを選ぶと失敗しません。

運用は季節で切り替えています。日差しの強い時期だけ張って、冬は外す。冬は逆に南からの日射を室内に取り込みたいので、張りっぱなしにしないことがパッシブ設計の家では大事です。取り外しはリングに引っ掛けるだけなので、数分で終わります。

オーニングやシェードセイルとの比較

日よけにはタープリング以外にも、壁付けのオーニングや、ポールを立てて張るシェードセイルといった選択肢があります。オーニングは開閉が楽な反面、本体が高価で、これも外壁への固定が必要です。ポール式は外壁に触らずに済みますが、ポールの基礎工事や見た目の問題があります。

タープリングは金具自体が数千円程度と安く、建築時に付けてしまえば気密も強度も確実で、使わない時期は外して何もない状態に戻せる。コスト・性能・見た目のバランスで、我が家にはこれが一番合っていました。

まとめ:外壁に関わるものは、最初から計画する

タープリングは後で付ければいい小物ではなく、高気密住宅では最初から計画に入れるべき設備でした。後付けは気密のリスクを伴ううえ、強度や防水でも建築時の施工に劣ります。ウッドデッキを夏も使える空間にするために、設計の打ち合わせ段階でタープリングの話を出してみてください。うちの工務店には珍しがられましたが、住んでみて正解だったと思っています。

あわせて読みたい

夏前に知っておきたい|高気密高断熱だけでは涼しくならない本当の理由
高気密高断熱なのに夏の2階が暑い原因は「日射遮蔽」の不足かもしれません。庇・外付けシェード・換気の三本柱で夏の熱を家に入れない設計を、実体験をもとに解説します。
西日が暑すぎる問題
※ このブログの家づくり記事はすべて断熱・気密・耐震にこだわった高性能住宅を建てた実体験をもとにしています。家のスペックや建築の経緯はこちら。夏の西日、暑いですよね。仕事終わって子供と家に帰ってきてドアを開けた瞬間のむわっと感…家を建てる前...

コメント

タイトルとURLをコピーしました